06 楽譜(ABC記法)チュートリアル

Published: Feb. 17, 2026, 2:39 p.m. UTC / Updated: Feb. 18, 2026, 1:23 a.m. UTC
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日本語

記事に楽譜を埋め込もう。テキストで書ける、ブラウザで鳴らせる。

  • PinotWalkでは、ABC記法というテキスト形式で楽譜を書くことができます。
  • 難しそうに見えますが、基本は数分で覚えられます。
  • Secretary の Muse に作ってもらうこともできます。

Muse01


🎵 ABC記法とは?

ABC記法は、楽譜をテキストで表現する国際標準フォーマットです。

X:1
T:きらきら星
M:4/4
L:1/4
K:C
C C G G | A A G2 | F F E E | D D C2 |

↓ こんな楽譜として表示・再生されます。

X:1
T:きらきら星
M:4/4
L:1/4
K:C
C C G G | A A G2 | F F E E | D D C2 |
  • テキストなのでコピペ・編集が簡単
  • Muse(AIセクレタリ)が自動作曲できる
  • ブラウザで即座に楽譜表示+MIDI再生

📝 PinotWalkでの書き方

記事のエディタで、コードブロックの言語を music に指定します:

```music
X:1
T:タイトル
M:4/4
L:1/4
K:C
C D E F | G A B c |
```

これだけで楽譜が表示され、▶ Play ボタンで再生できます。


🏗️ ヘッダーの書き方

楽譜の先頭に「ヘッダー」と呼ばれる情報を書きます。

フィールド 意味 必須
X: 楽曲番号(通し番号) X:1
T: タイトル T:きらきら星
M: 拍子 M:4/4
L: 音符の基本長 L:1/4
K: 調号(キー) K:C
C: 作曲者 C:山田太郎
Q: テンポ(BPM) Q:1/4=120

最小限のヘッダー例

X:1
T:無題
M:4/4
L:1/4
K:C

🎼 音符の書き方

基本の音名

C D E F G A B
ド レ ミ ファ ソ ラ シ

小文字にすると1オクターブ上になります:

c d e f g a b   ← 高いドレミ

さらに上のオクターブは音名の後ろに ' を付けます:

c' d' e'   ← さらに高いドレミ

1オクターブ下げるには , を付けます:

C, D, E,   ← 低いドレミ

音符の長さ

L:1/4(基本長=四分音符)の場合:

書き方 長さ 音符の種類
C 1倍(基本長) 四分音符
C2 2倍 二分音符
C4 4倍 全音符
C/2 1/2倍 八分音符
C3/2 付点四分音符 付点四分音符

休符

z   ← 1拍の休符
z2  ← 2拍の休符
Z   ← 1小節まるごと休符

小節線と区切り

C D E F | G A B c |   ← | が小節線

🎹 よく使う拍子

M:4/4   ← 4分の4拍子(一番よく使う)
M:3/4   ← 4分の3拍子(ワルツ)
M:2/4   ← 4分の2拍子(マーチ)
M:6/8   ← 8分の6拍子
M:C     ← 4/4拍子の省略形

🎵 調号(キー)の指定

K:C     ← ハ長調(シャープ・フラットなし)
K:G     ← ト長調(シャープ1つ)
K:D     ← ニ長調(シャープ2つ)
K:F     ← ヘ長調(フラット1つ)
K:Am    ← イ短調(シャープ・フラットなし)
K:Em    ← ホ短調(シャープ1つ)

音符に臨時記号を付ける

^C   ← C# (シャープ)
_E   ← Eb (フラット)
=F   ← F のナチュラル(元に戻す)

🔄 繰り返し

|: C D E F | G A B c :||   ← この範囲を繰り返す

|: C D E F :|: G A B c :|  ← 2つのセクションをそれぞれ繰り返す

1番・2番カッコ

|: C D E F |1 G A B c :|2 G G G2 ||
               ↑1回目     ↑2回目

⚡ テンポの指定

Q:1/4=120   ← 四分音符 = 120 BPM(標準的なテンポ)
Q:1/4=60    ← ゆっくり
Q:1/4=180   ← 速い

🎻 楽器の指定

%%MIDI program で General MIDI の楽器を指定できます。

%%MIDI program 0    ← ピアノ(デフォルト)
%%MIDI program 40   ← バイオリン
%%MIDI program 41   ← ビオラ
%%MIDI program 42   ← チェロ
%%MIDI program 73   ← フルート
%%MIDI program 56   ← トランペット
%%MIDI program 24   ← アコースティックギター
%%MIDI program 19   ← チャーチオルガン

書く場所はヘッダー内(K: の前)

X:1
T:G線上のアリア風
%%MIDI program 42
M:4/4
L:1/8
K:G
D4 G3 A | B3 A B d | e4 d3 c |

🎹 複数声部・合奏の書き方

V:(Voice)フィールドを使うと、複数の声部・楽器を1つの楽譜に書けます。

基本の書き方

ヘッダーで声部を宣言し、本文で [V:1] [V:2] と声部を切り替えながら音符を書きます。

X:1
T:タイトル
M:4/4
L:1/4
K:C
V:1 name="Violin"
V:2 name="Cello"
[V:1] c2 B2 | c4 |
[V:2] C,2 G,2 | C,4 |

ピアノ右手+左手

X:1
T:ピアノ小品
M:4/4
L:1/4
K:C
V:1 clef=treble name="右手"
V:2 clef=bass name="左手"
[V:1] e2 d2 | c4 | d2 c2 | B4 |
[V:2] C,2 G,2 | C,4 | G,,2 G,2 | G,,4 |
  • clef=treble でト音記号、clef=bass でヘ音記号を指定
  • 左手は低音なので C,(カンマ1つで1オクターブ下)を使う

バイオリン+チェロの合奏

X:1
T:弦楽デュオ
M:3/4
L:1/4
K:G
V:1 name="Violin"
V:2 name="Cello"
[V:1] d2 B | G3 | A2 G | D3 |
[V:2] G,2 D | G,3 | D2 D | G,3 |

⚠️ 声部別の楽器指定に関するリスク

複数声部それぞれに異なる楽器を指定したい場合(例: バイオリンとチェロで別々の音色)、
%%MIDI program を声部ごとに書く方法がありますが、動作が不安定です

試せる書き方(動作は保証されない):

[V:1] %%MIDI program 40
d2 B | G3 |
[V:2] %%MIDI program 42
G,2 D | G,3 |

リスクの詳細:

リスク 内容
声部別指定が無視される 全声部が同じ楽器(ピアノ)で再生される場合がある
書き方の非標準 %%MIDI はABC v2.1の正式仕様外。ABCJSの実装依存
ブラウザ差異 Chrome / Firefox / Safari で挙動が異なる可能性がある
楽譜表示への影響 %%MIDI 行が楽譜レイアウトに影響することがある

現実的な対処法:

  • 声部別の音色にこだわらない場合は %%MIDI program を1つだけヘッダーに書いてすべての声部を同じ楽器にする
  • 音色を重視したい場合は、楽器ごとに別々の楽譜ブロック(別の ```music ブロック)に分けて書く

別ブロックに分ける例:

バイオリンパート:

```music
X:1
T:弦楽デュオ(バイオリン)
%%MIDI program 40
M:3/4
L:1/4
K:G
d2 B | G3 | A2 G | D3 |
```

チェロパート:

```music
X:1
T:弦楽デュオ(チェロ)
%%MIDI program 42
M:3/4
L:1/4
K:G
G,2 D | G,3 | D2 D | G,3 |
```

🎼 実践例

きらきら星

X:1
T:きらきら星
M:4/4
L:1/4
Q:1/4=120
K:C
C C G G | A A G2 | F F E E | D D C2 |
G G F F | E E D2 | G G F F | E E D2 |
C C G G | A A G2 | F F E E | D D C2 |

ト長調のメロディ(バイオリン)

X:1
T:ト長調の小品
C:Muse (PinotWalk)
%%MIDI program 40
M:3/4
L:1/8
Q:1/4=100
K:G
D2 G2 A2 | B4 AG | A2 B2 c2 | d6 |
e2 d2 B2 | G4 AB | c2 B2 A2 | G6 |

ハ短調の曲

X:1
T:ハ短調の小品
M:4/4
L:1/8
K:Cm
G2 ^F2 G2 =B2 | c4 G4 | _E2 D2 C4 | G,8 |

▶ 再生コントロール

楽譜の下に表示されるボタンの使い方:

ボタン 機能
▶ Play 再生開始
■ Stop 停止(クリックすると▶ Playに戻る)

🤖 Muse(AIアシスタント)に作ってもらう

自分で書くのが難しい場合は、エディタのツールバーから Muse を呼び出すと、依頼するだけで楽譜を作ってもらえます。

依頼の例

  • 「ハ長調で8小節のシンプルなメロディを作って」
  • 「バイオリンでゆっくりした悲しいメロディ、4/4拍子で」
  • 「きらきら星をト長調に移調して」

Muse は ABC記法で楽譜を生成し、記事に直接挿入してくれます。


❓ よくある質問

Q: 音が出ない
→ ブラウザの音声を許可しているか確認してください。初回再生時にブラウザの確認ダイアログが出る場合があります。

Q: 楽譜が表示されない
→ ABC記法の文法エラーの可能性があります。特にヘッダー(X:, T:, M:, L:, K:)がすべて揃っているか確認してください。

Q: 音符の高さがおかしい
→ 大文字(C〜B)と小文字(c〜b)でオクターブが変わります。意図したオクターブを確認してください。

Q: 調号を途中で変えたい
→ 本文中に [K:G] のように書くと途中から調号を変更できます。


📖 参考リンク


最終更新: 2026-02-17(複数声部・合奏セクション追加)

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